越後の冬は、寂しいばかりでありますが、また布への想いが募る季節でもありました。私の住んでおります所は「亀田郷」と申しまして、戦前は水郷で土がゆるく、胸まで水に浸かって田植えをしていたところです。
　その頃は、みんな亀田縞といわれる綿織物を着ておりました。現在は完全に絶えてしまって、わずかに二軒の機屋さんが、他の織物で生計を立てているのが現状です。
　今、その方たちと協力して亀田縞の復興を企てているところです。夏にはサンプルの生地（幅広織機織）が出来る予定であります。第一番にふろしきに仕立てお届けさせていただきたいものと願っております。果たしてどんなものが出来るのでしょうか。興味しんしんのこの頃であります。
　　　　平成十七年三月六日
　　　　　　　　　
追伸　同封の写真は、娘に伝授した「リストバンド」の使用例です。

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